羅列型ニュースサイトの面白さとはなにか?

閲覧者にとってニュースサイトはネタ(≒ニュース)をピックアップして陳列するショーケースだと考えている。
304 Not Modifiedでまなめさんが先日のエントリ「ニュースサイトは本屋さんです」と言及している。 このイメージとオーバラップしている。 まなめさんはこの記事で、「人を惹きつける何か」がニュースサイトにはあるとまとめている。 この「なにか」について考えてみた。


現実に存在するショーケースでは、あるだけ購入する者もいれば、ウインドウショッピングを楽しむ者もいるだろう。 しかし、ニュースサイトは多くの場合ウインドウショッピングでは満足出来ないのが異なる点だと云えそうだ。 サイトをざっと見ただけでは、今日どんな話題がネットに広がったのか簡単に把握することはできない。 また、把握出来ないように作っているのがニュースサイトだとも云える。
記事のタイトルとコメントを見てクリックする。 クリックする瞬間が羅列型のニュースサイトの醍醐味だと云えるのかも知れない。


ニュースサイトで扱う商品はあくまで1次ニュースサイト(親ニュースサイト)の記事やネタ、画像などであり、オリジナルの品物は少ない。 いわばセレクトショップだと云える。 セレクトショップが期待されるのはピックアップとコメントのセンスだろう。
閲覧者はこのセレクトショップが有機的に結びついたショッピングモールの中で、お気に入りの店を見つける。 最終的には興味の無かったジャンルの話題でもこのサイトが選んだんだからという信頼関係が成立するようにまでなる。
サイト閲覧者はサイト管理人とバーチャルな信頼関係で結ばれていると云える。


では、なぜ個人ニュースサイトがここまで繁栄したのか。


閲覧者が記事をピックアップする手間を省こうとするため。
これでは半分しかニュースサイトの機能を説明出来ない。 本質的なのは、ニュースサイトが閲覧者の守備範囲ではない話題までをもフォローしているということではないかと感じている。


つまり、安心して手に取れる商品と同時に、少し冒険して試着してみる商品が混在していることが本質的だということ。 羅列型ニュースサイトでは記事がインデックスとして並んでいるため、辞書的なおもしろさが生まれているのではないかと思う。
ここで先ほどの“信頼関係”が重要になってくる。 気に入ったサイトの管理人がピックアップした話題なら、試してみようかという気にさせる。 ニュースサイトは閲覧者の興味の新規開拓に一役買ってくれるわけである。


繁栄する羅列型ニュースサイトの多くは、様々なジャンルのネタをフォローしていることがこのことを証明している。 柱となるジャンルとともにその裾野に幅広い領域に興味を持っている。 これは遊び心と捉えても良いかもしれない。 その幅広い興味が羅列型ニュースサイトのおもしろさの根源であると感じる。
また、特定のジャンルに特化されたサイトは羅列型ニュースサイトのネタ元(巡回先)となることが多いのではないか。 それは専門店や問屋としての働きをなし、第1.5次ニュースサイトと呼べるかも知れない。
特化されたニュースサイトもまた、非常に重要であると考えるがそれはまた別の機会に述べる。


羅列型ニュースサイトは、あらゆる話題に食指を伸ばし取り込むことを要求されている。 サイト管理人は興味を広く持ち、探求心を忘れてはならない。 常に新しい興味を絶やさないことが大切なのだと思う。